日本の 栃木県、鹿沼市で1999年11月、市立北犬飼中学校3年生の臼井丈人(たけひと )さん(当時15)が自殺したのはいじめが原因だとして、両親が市や県などを相手に総額約1 億1千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が28日、東京高裁であった。江見弘武裁判長
は「丈人さんがいじめで孤立感を深めたことが自殺の一因となった」と認め、丈人さんが受けた 苦痛に対する慰謝料など総額1100万円の賠償を被告側に命じた。240万円の支払い命令にとどまった一審・宇都宮地裁判決を変更した。両親側は上告する方針。
一審判決は学校側がいじめ防止措置を取らなかったとして安全配慮義務に違反していると認めたが、「いじめが自殺の主たる原因とは認められない」と判断した。
これに対し高裁は、丈人さんが長期にわたるいじめを誘因として遅くとも99年11月 ごろまでにはうつ病にかかり、それにより自殺した、と認定した。また、激しいいじめがあった 1学期については学校側に安全配慮義務違反があるとした。ただ、「いじめでうつ病にかかり、 自殺するのは通常起こることとは言いがたく、うつ病にかかると教員らが予見できたとは言えな い」と述べ、教員らの安全配慮義務違反と、うつ病や自殺との間に法的な因果関係は認められないとした。
丈人さんは三年生の一学期からパンツを脱がされたり、サインペンで顔に色を塗られた りするいじめを受けた。二学期から机の上にうつぶせになることが増え、10月の遠足でからかわれてから登校しなくなった。11月に自宅で首つり自殺した。