アルコールの身体的影響
人体へのアルコールの影響は、血液中のアルコールの量(血中アルコール濃度)に依存する。 アルコール濃度は、飲んだ量と飲んだ人の身体システムがアルコールを吸収して代謝する割合によって異なる。 飲料のアルコール含有率が高いほど、血流に入るアルコールも多くなる。
また、胃の内容物の量と種類も吸収率に影響する。胃が満たされている時に飲むと、食物がアルコール吸収を遅らせるので酔いにくい。 別の要素には体重がある。体重の重い人は吸収率が遅い。 研究では、性別を追加要素として示唆している。 換言すれば、女性は胃の中のアルコールを分解する酵素の量が男性に比べて少ないので、お酒を飲むと血流に入るアルコールの量が比較的多い。
アルコールは胃を通り抜けた後、腸壁を通って急速に血流に吸収され、体内の様々な器官に運ばれ代謝される。 腎臓と肺によって処理されるアルコールは少量で、尿に分泌されたり呼吸によって吐き出されたりするが、他の大部分は肝臓に代謝される。 アルコールは、代謝時に熱を放出する。 1オンスのウイスキーでは、人体は1時間あたり約4分の3オンスの割合でアルコールを代謝する。 技術的な意味では、アルコールが体内から放出されるのと同じ割合で飲むことは可能である。 しかしながら、ほとんどの人々が、これより速い割合で飲んでいる。
中枢神経系へのアルコールの抑制作用は、血中アルコール濃度(BAC)に依存している。それが 0.04に達すると、血液100立方センチメートルあたりアルコールが0.04グラムになり、脳の機能に悪影響が出始める。濃度が0.20%(8~10杯飲んだ時に観測される濃度)になると、歩行や感情の制御が困難になる。 人が速いピッチでウイスキーを約1パイント飲んだ時などに、アルコール血中濃度が0.30%に達すると、話の内容が理解できなくなり、意識を失うこともある。 0.35%から0.50%の濃度になると、呼吸や心臓の働きを制御する脳中枢が影響を受ける。0.50%を超える濃度では、死に至ることもある。
アルコールの適度な、すなわち度を越さない程度の使用は有害ではないが、過度の深酒はアルコール中毒や他の多数の健康上の問題を引き起こす。 人体の主要な臓器系への過度な飲酒の影響は、大量に連続して飲んだ後や、5~30年間断続的に後に飲み続けた場合は累積され、表面化する。 深酒に最も影響を受ける身体の部位は、消化系および神経系である。 過度な飲酒に関連するとされる消化器系疾患には口、のど、および食道の癌、胃炎、潰瘍、肝硬変、膵臓炎などがある。 神経系の疾患には、神経炎や記憶の消滅(一時的な記憶喪失)、幻覚症状、極度の震え、精神錯乱(「DT」)があり、極端な飲酒期間の後に禁酒する時に発生することがある。 また、結果として脳や中枢神経系に永久的な損傷が生じることもある。 妊娠中の女性が飲酒すると、アルコール症候群の子どもが生まれてくる可能性がある。
アルコールは、一般的に使用される鎮静剤や精神安定剤などの薬物と組み合わせると、別々に取れば致命的な影響はないという投与量でさえ、生命を脅かす場合がある。 また、人体へのアルコールの影響や後遺症に対抗する薬剤も研究されている。 その中の1つでRo15-4513という薬剤は、新陳代謝を修正したり血中アルコール値を下げたりせずに、アルコールの影響を妨げることがわかった。 そうした薬剤は、倫理的問題の理由から商業用途では開発されていない。